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不動産所得が事業的規模の場合のメリット

投稿日:2017年3月7日 更新日:

社宅

不動産所得が事業的規模の場合のメリットの代表格としては、65万円の青色申告特別控除があります。

しかし、これ以外にも節税メリットがあることをご存知でしょうか?

 

資産損失がすべて必要経費に

資産損失とは、事業用の固定資産や繰延資産を廃棄した場合に、その廃棄時に残っている帳簿価額相当額から、その廃材の売却価額とその損失を補てんする保険金収入を差し引いたものをいいます。

資産損失 = 廃棄直前の帳簿価額 ー 廃材価額 ー 保険金収入

事業的規模の場合

全額が必要経費

事業的規模以外の場合

その資産損失を計上しないで計算した所得を限度として必要経費

事業的規模は全額が必要経費になり、赤字の場合は他の所得と損益通算ができ、さらに余った損失は翌年以後3年間繰り越すことができます(青色申告者の場合)。

一方、事業的規模以外の場合は、どんなに損失額が大きくても、その損失額を計上しないで計算した黒字を限度として必要経費になりますので、不動産所得は0円が最少金額になります。

 

専従者給与が必要経費に

専従者とは、事業に従事する生計一親族のことで、通常、生計一親族に支払った対価は必要経費になりませんが、この専従者給与については必要経費にすることが認められています。

事業的規模の場合

全額が必要経費

事業的規模以外の場合

必要経費にならない

なお、専従者給与は、青色申告の場合は事前に届け出た金額までが必要経費になります(あまりに高額だと否認される可能性もあります)が、白色申告者の場合は配偶者で86万円、配偶者以外の親族で50万円の限度があり、なおかつ、その事業者の所得の1/2までの金額が限度になります。

 

貸倒引当金の設定ができます

家賃滞納により未収家賃が生じている場合や、不動産を購入に際して支払った手付金で相手方が破産の申立てをしたなどの場合、不動産所得が事業的規模であれば、次の区分に応じて一定の金額を個別評価の貸倒引当金として必要経費にすることができます。

  • 弁済猶予・賦払弁済される場合・・・個別評価の債権ー翌年から5年以内に弁済される金額ー担保
  • 債務超過の状態が継続していたり災害により多大な損害が生じたことにより取立等の見込みがない場合・・・その取立等の見込みがない部分の金額
  • 会社更生法や破産法の申し立てが生じている場合・・・(個別評価の債権ー取立等の見込額)×50%

 

未収賃貸料の回収不能を損失として計上できます

回収不能となった未収賃貸料は、事業的規模でも事業的規模以外でも所得を減らすことはできますが、その方法が違います。

事業的規模の場合

回収不能となった年の損失として計上できる

事業的規模以外の場合

未収賃貸料を収入計上した年に戻って、その収入がなかったものとして所得計算をやり直す(更正の請求)

事業的規模であれば、回収不能と確定したときに必要経費にできますが、事業的規模以外だと更正の請求という手続きをしなければならず、少し手間がかかりますね。

 

さいごに

不動産所得が事業的規模に該当すれば、65万円控除はもとより、資産損失を全額必要経費にできるところが大きな利点ではないかと個人的には感じています。

固定資産などを廃棄したときの損失が、不動産所得が0円になるまでと、他の所得と通算や繰越控除ができるのとでは大きな差がありますね。

不動産は動く金額が大きいことを考えると、資産損失ぐらいは事業的規模と規模以外で差をつけなくてもよいのではと思ってしまいます。

 

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