税務つーしん

不動産所得者が65万円の青色申告特別控除を受けるための要件とは?

投稿日:2017年2月27日 更新日:

 

青色申告特別控除

事業所得のある人が65万円の青色申告特別控除を受ける場合、その事業で生計を立てているのなら、貸借対照表を添付すれば、事業の規模に関係なく65万円控除を受けられます。

一方、不動産所得のある方が65万円の青色申告特別控除を受けるためには、ある程度の事業的規模という壁が存在します。

今回はこの事業的規模の壁について解説します。

 

事業的規模の基準とは?

5棟10室基準

この事業的規模の基準というのは、一般によく言われる”5棟10室基準”で、これは所得税基本通達26-9に記されています。

所得税基本通達26-9  建物の貸付けが事業として行われているかどうかの判定

建物の貸付けが不動産所得を生ずべき事業として行われているかどうかは、社会通念上事業と称するに至る程度の規模で建物の貸付けを行っているかどうかにより判定すべきであるが、次に掲げる事実のいずれか一に該当する場合又は賃貸料の収入の状況、貸付資産の管理の状況等からみてこれらの場合に準ずる事情があると認められる場合には、特に反証がない限り、事業として行われているものとする。

(1)貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること。

(2)独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。

5棟というのは戸建住宅のような独立家屋の基準で、戸建ての貸家が5つあるなら事業的規模になります。

10室のいうのはマンションやアパートなどの集合住宅の基準で、貸アパートや貸マンションを10室もっているなら事業的規模になります。

もし、アパートやマンションを1棟まるまる貸し付けている場合は、1棟とは数えずに、そのアパートやマンションの室数で判定します。

空室がある場合

空室がある場合でも、広告などで募集をかけていたり、いつでも貸せる状態であれば1室としてカウントできます。

駐車場の場合

通達には記されていませんが、1室を駐車場スペース5台に換算して考えますので、おおむね50台分の駐車スペースの貸付を行っていれば、駐車場のみの貸付の場合でも、事業的規模になります。

共有の場合

共同で所有している場合は、持ち分で按分した後の棟数や室数で判断するのではなく、持ち分で按分する前の棟数や室数で判定します。

 

5棟10室に満たない場合

5棟10室とは、”おおむね”とあるようにあくまでも大まかな基準であって、これを満たさないと事業的規模でないということではありません。

原則的な考え方は、「社会通念上事業と称するに至る程度の規模」ですので、例えば1棟の貸家しかなくても、その1棟が貸付面積も大きく賃料も高額な場合は、事業的規模と認めらる可能性はあります。

 

不動産所得の方が青色申告特別控除の65万円控除を受けるための要件まとめ

青色申告承認申請書を提出していること

大前提の中の大前提ですね。これがないと事業的規模をクリアしていても65万円控除どころか10万円控除も受けられません。

 

5棟10室基準などをクリアして事業的規模であること

5棟10室基準を満たしていれば形式だけで事業的規模といえます。
この基準を満たしていない場合は、実質的に事業的規模であることを証明する必要があります。

なお、不動産所得のほかに事業所得がある場合には、不動産所得から65万円を控除することができますが、事業所得からも65万円を控除できるわけではありません。

まず、不動産所得から青色申告特別控除額を引き、それでもまだ引ききれない青色申告特別控除額があれば、その引ききれなかった金額を事業所得から控除することができます。

つまり、不動産所得と事業所得とあわせて65万円までしか控除はできません。

また、事業的規模でない不動産所得者が65万円控除を受けるために、何か事業をすることも考えられますが、事業所得とは「対価を得て継続的に行う事業から生ずる所得」ですので、副業的な業務の場合は事業所得ではなく雑所得となる可能性があります。

雑所得となると65万円控除を受けられないので注意が必要です。

この事業か事業でないかの線引は5棟10室のような明確な基準がないので、慎重に判断しましょう。

 

貸借対照表を添付していること

確定申告書に貸借対照表の添付がないと65万円控除は受けられません。

会計ソフトを導入すれば、自動的に帳簿はもちろんのこと貸借対照表も作成されますので、65万円控除を受けるために会計ソフトを導入するのもオススメです。

 

まとめ

不動産所得が事業的規模かそうでないかの基準は、数字として明確に示されていますので、わりと判断しやすいです。

一方、事業所得と雑所得の区分はあいまいで、判断しにくい場面も多いですが、対価を得て継続的に行う事業というのが判断のポイントになりますね。

 

 

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