創業・起業・開業

起業・開業の手引書③〜定款に記載する項目はどうやって決めるの?〜

投稿日:2017年4月3日 更新日:

「これから起業をしようと考えているけど、何からしたらいいかわからない」という方に向けて、起業から開業までの手続きを、おもに税理士の目線で解説する「起業・開業の手引書シリーズ」第3回目のテーマは定款に記載する項目はどうやって決めるの?です。

定款に記載する事項は、会社名から始まって、目的事項や事業年度など様々な項目がありますが、どのように決めればいいのでしょうか?

 

定款とは?

定款とは、簡単にいうと、その会社がどういう名前で、どういう事業を営んで、どこに所在して、誰が設立したかなどの基本規則を定めたものいいます。

定款には絶対的記載事項とよばれる必ず記載しなければならない事項があり、次のものが該当します。

  1. 商号
  2. 目的
  3. 本店の所在地
  4. 設⽴に際して出資される財産の価額⼜はその最低額
  5. 発起⼈の⽒名⼜は名称及び住所

このほか実務的には、事業年度や公告の方法なども記載することになります。

それでは、各記載事項を見ていくことにしましょう。

 

定款で定める各事項のポイント

商号

商号とは、会社の名前です。

会社法ができる以前は、同じ市町村で同一の商号をつけることができなかったので、類似商号がないかの調査をする必要がありましたが、現在は、同一の所在地で同じ商号がなければ登記することができます。

ただし、有名企業などと同じ商号にすると、訴えられる可能性もありますので、紛らわしい商号は避けておきましょう。

オススメは全国でどこも付けていない唯一の商号がいいですね。

商号を調査する場合は、国税庁の国税庁法人番号公表サイトなどで調査することができます。

株式会社や合同会社という文字を、商号に入れなければならないのですが、これは会社名の前でも後でも構いませんので、語感など読みやすさを考えて付けましょう。

なお、商号には使える文字は、漢字やひらがな、カタカナはもちろんのこと、ローマ字(大文字・小文字)、アラビア数字、「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)、「-」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点)なども使用できます。

 

目的事項

目的事項には、会社営む事業を記載しますが、明瞭性がなかったり具体性がないと登記申請の際に却下されてしまいますので、事前に調べておく必要があります。

書籍で調べることもできますが、便利なのはインターネットで検索する方法で、私は下記のサイトを参考にしたことがあります。

会社定款目的記載例検索サイト;イー目的ドットコム

定款目的.com|会社設立時の定款目的検索の決定版

ただし、この方法でも営む事業にストライクの内容もあれば、すこし外れている場合もあります。
その場合は、ご自身で作文をする必要があります。

なお、株式会社の場合は、公証人役場で定款の認証を受ける際に、事前にメールやFAXで定款の原案を送るとチェックをしてくれますので、登記の際に却下されることは少ないと思います。

一方、合同会社は公証人に定款認証をしてもらう必要がないので、法務局での一発勝負になりますが、事前に法務局での相談することは可能ですので、時間に余裕があれば、法務局で確認してもらうことをオススメします。

また、目的事項は設立後に追加することもできますが、登記が必要になるため登録免許税がかかってしまいます。
なので、設立時に将来行うかもしれない事業(不動産賃貸業など)も盛り込んでおきましょう。

目的事項に記載した事業を必ず営まないといけないということはありませんので、幅広く記載しておきましょう。

 

所在地

所在地とは、本店の所在地になります。

なお、所在地は、◯番◯号まで記載してもいいですが、同一市内で移転をした場合に定款の変更をする必要がないので、都道府県と市までにしておくのが一般的です(この場合、本店所在場所決議書が別途必要です。)

 

公告の方法

公告とは、法令上の義務により特定の事項を広く一般に知らせることをいいます。

公告は、資本金を増加した場合や減少した場合、合併した場合、合同会社から株式会社に組織変更する場合のほか、株式会社については決算後に行う決算公告(合同会社は不要です)が義務付けられています。

その公告の方法を定款に定めるのですが、一般的には官報や日刊新聞などの紙媒体や、電子公告と呼ばれるインターネットによる公告が認められています。

電子公告の場合は、掲示するサイトのURLを記載することになります。

 

株式関連

発行可能株式総数

発行可能株式総数はできるだけ多めにしておきましょう。

「1株当たりの出資金額×発行可能株式総数」で、最大の資本金の額が決まってしまいますので、この最大の資本金の額を超えた払込みをしてもらうう場合は、登記をして発行可能株式総数を変更する必要があります。

1株当たりの出資金額

1株当たりの出資金額はできるだけ少なくしておくほうが、後々、融通がききやすいです。

例えば、増資する場合だと1株100万円と1株1万円なら、前者は最低でも100万ないと出資できませんが、後者なら1万円から出資できますので、出資してもらいやすくなります。

また、株式を贈与する場合、贈与時の価額が1株200万円の株式よりも、贈与時の価額が1株2万円の株式100株の方が、細かく贈与できるので、複数人に贈与したり、贈与税がかからない程度の贈与に抑えたりすることが可能です。

資本金の額

資本金の額は「1株当たりの出資金額×発行済株式数」で決まります。

具体的な資本金の額の決め方については、こちらの記事で詳しく説明しています。

 

株式の譲渡制限

上場するような公開会社でない場合は、株式が勝手に第三者に譲渡されるのを防ぐために、譲渡するには株主総会で承認を得なければならないという譲渡制限をしておきましょう。

 

事業年度

事業年度とは、会社の計算期間です。

基本的には1年間で、税金を計算する期間である事業年度と一致しますが、最初の事業年度は1年未満とすることにより、決算日を選ぶことができます。

決算日をいつにするかというのは、これといった決まりはないのですが、閑散期など売上があまり上がらない時期や資金繰り的にラクな時期にすることもひとつの考え方です。

閑散期を決算日にするのは、「期末に大きなが売上が発生して、予想よりも大きな納税額が発生する」といったことがないようにするためです。

もちろん、申告期限の2ヶ月後までに代金を回収できていればいいですが、そうでない場合は、代金回収よりも先に納税の期限が来ますので要注意です。

 

出資の割合

出資者が1人で他に誰も出資者がいない場合や、出資者が家族だけの場合は問題ないのですが、家族以外の誰かと共同出資するような場合は、その出資割合が問題になってきます。

仮に50%ずつ出資した場合、仲が良いうちはいいですが、意見が違ったときに、どちらも過半数の株式を保有していないので決定できないということが想定されます。

仲違いしたり方向性が違ってきたということで袂を分かつときは、どちらかの株式を買い取る必要が出てきますので、そういったことも想定しておきましょう。

なお、合同会社の場合は、出資をしないと役員になれませんので、役員になる場合は出資が必要です。

 

まとめ

定款を作成するために定めておくべき項目のポイントについて説明してきました。

定款を作成するためには色々なことを決める必要がありますが、ある意味、事業の根幹の部分を決める項目が多いので、安易に考えず、将来的なことも考えて決めましょう。

 

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