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中小企業経営強化税制の適用を受けるにはどうするの?〜適用までのフローまとめ〜

投稿日:2017年4月5日 更新日:

平成29年4月1日から始まった中小企業経営強化税制の手続きについて、まとめてみました。

以前の中小企業投資促進税制の上乗せ措置や生産性向上設備投資促進税制と似ているようですが、ひと手間増えており、場合によっては適用を受けられない場合もありますので、注意しましょう。

まずは、おさらいから。

 

中小企業経営強化税制とは

中小企業経営強化税制とは、中小事業者の設備投資やサービス業等の生産性の向上を後押しするために、従来の中小企業投資促進税制の上乗せ措置部分が改組・拡充された制度です。

対象者

青色申告書を提出する中小企業者等である、資本金1億円以下の法人(大規模法人に支配されるものを除きます)や常時使用者数が1,000人以下の個人事業者が、その設備を指定事業に使用した場合が対象です。

 

指定事業

指定事業とは、中小企業投資促進税制および商業・サービス業・農林水産業活性化税制のそれぞれの対象事業に該当するすべての事業が指定されていますが、次の事業は除外されています。

  • 電気業(全量売電の太陽光発電を含む)
  • 水道業
  • 鉄道業
  • 航空運輸業
  • 銀行業
  • 娯楽業(映画業を除く)
  • 風俗営業法上の性風俗関連特殊営業に該当する事業

 

 

対象設備

平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に、取得し事業に使用された次の設備が対象です。

なお、中小企業経営強化税制は、生産性向上設備のA類型と、収益力強化設備のB類型があり、対象設備の範囲はB類型のほうが広いです。

A類型
  • 機械装置(取得価額160万円以上)
  • 測定工具および検査工具(30万円以上)
  • 器具・備品(30万円以上)
    医療機器、データセンター業者の電子計算機を除く
  • 建物附属設備(60万円以上)
    医療保健業を除く
  • ソフトウェア(70万円以上)
    …情報を収集・分析・指示する機能有するもの
B類型
  • 機械装置(取得価額160万円以上)
  • 工具、器具備品(30万円以上)
    医療機器、データセンター業者の電子計算機を除く
  • 建物附属設備(60万円以上)
    医療保健業を除く
  • ソフトウェア(70万円以上)

 

要件

  1. 中小企業等経営強化法の認定を受けること
  2. A類型の場合は次の要件のすべてを満たす生産性向上設備
    ・生産性が旧モデル比で年平均1%以上改善する設備
    ・一定期間内(機械装置10年、工具5年、器具・備品6年、建物附属設備14年、ソフトウエア5年)に販売開始されたもの
  3. B類型の場合は投資利益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備※
    ※投資利益率とは、設備取得等をする年度の翌年度以降3年間の「営業利益+減価償却費(特別償却を除く)」の年平均額÷設備投資額で計算します。
  4. 売上高に直接寄与するような生産等設備であること(事務用器具備品、本店・寄宿舎等の建物附属設備は対象外です)
  5. 国内への投資であること
  6. 中古資産・貸付資産でないこと

 

メリット

  • 即時償却…取得価額の全額を設備を取得した事業年度の経費にすることができる
  • 税額控除…取得価額の7%または10%(資本金3千万円以下の法人または個人事業者のみ)を税金から控除

 

 

 

適用を受けるための申請フロー

A類型とB類型で違う部分もありますが、大まかな流れはほぼ同じです。

1.対象設備の選定

まず、取得する予定の設備が、中小企業経営強化税制の対象設備であるかどうかを確認しましょう。

なお、A類型とB類型のどちらにも該当するのであれば、A類型の方がB類型に比べ申請手続きがひと手間少なく、また、固定資産税の軽減を受けられる場合もあるので、どちらにしても法人税・所得税の税制優遇措置は同じですので、A類型を選択しましょう。

 

2.工業会等の証明書(A類型)・経済産業局の確認書(B類型)の入手

ここは、A類型とB類型で手続きが違いますので、個別に説明します。

A類型

工業会等に、その設備が生産性向上設備に該当するかの証明書を発行してもらいます。

B類型

  1. 投資計画案の策定
  2. 税理士や公認会計士に投資計画案が要件を満たしているかの確認をしてもらい、事前確認書を発行してもらう
  3. 経済産業局に投資計画と事前確認書を提出して、確認書を発行してもらう

なお、B類型については、申請書の計画期間内(設備の取得等をする年度の翌年度以降3年間)について、申請書の実施状況を、設備の取得等を 行った事業年度の翌事業年度終了後4ヶ月以内に、確認書の交付を受けた経済産業局 に提出する必要があります。

また、経済産業局の確認書では、固定資産税の軽減措置は受けられませんので、別途、工業会等の証明書が必要になります。
なので、A類型にも該当するならA類型で申請するほうが手間がかかりません。

 

3.担当省庁に経営力向上計画認定申請書を提出

事業分野ごとの担当省庁に、次の書類を提出します。

事業分野ごとの提出先は次のリンクをご参照ください。
事業分野ごとの提出先(PDF)

 

4.経営力向上計画の認定

担当省庁が経営力向上計画認定申請書を受理してから、標準処理時間で30日(事業分野が複数にわたる場合は45日)ほどで、経営力向上計画が認定され、認定書が発行されます。

 

5.対象設備の取得

認定を受けた経営力向上計画に基づく設備を取得し、事業に使用すれば、確定申告において即時償却や税額控除の優遇を受けられます。

 

 

設備の取得後に申請する場合

原則として、経営力向上計画の認定後に設備を取得するのですが、先に設備を取得してしまう場合も想定されます。
そのような場合にも、弾力的な対応がなされており、設備取得後60日以内に経営力向上計画が担当省庁に受理されれば、認定を受けることができます。

この場合の受理とは、単に提出しただけではダメで、書類の不備があって追加の書類の提出を求められた場合は、まだ受理されていませんので、余裕を持って申請をしましょう。

ただし、次のような注意点もあります。

B類型の場合、確認書の発行申請は設備取得前に

A類型の場合は、設備取得後に工業会等の証明書を発行してもらっても大丈夫ですが、B類型の場合、設備取得の前に経済産業局に確認書の発行申請をする必要があります。

ただ、設備取得前に確認書の申請さえしておけば、確認書の入手が設備取得後であってもかまいません。

 

取得年度内に認定を受けないと税制上の優遇措置が受けられない

設備を取得した事業年度内に、経営力向上計画の認定を受けられないと、即時償却や税額控除の税制優遇措置が受けられません。

なので、決算日間際に設備の取得をする場合には、原則どおり設備の取得前に計画の認定を受けておくか、設備の取得時期をずらせるなら、翌期に取得してから認定を受けるほうがいいでしょう。

 

まとめ

中小企業経営強化税制は始まったばかりで、本格的な申請はこれからという感じでしょうが、設備の取得の時期と決算日のタイミング次第では、適用を受けられないという事態も想定されますので、社内での設備投資の計画の周知と、迅速な申請手続きがポイントになりそうです。

経営力向上計画の申請については、中小企業庁のこちらのページが参考になります。
中小企業庁:経営力向上設備等の対象範囲と「経営力向上計画」の申請様式が変わりました!

 

 

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