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平成29年度税制改正大綱のかんたんまとめ〜資産課税関係〜

投稿日:2017年1月7日 更新日:

H29税制改正大綱の資産課税関係

平成28年12月22日に平成29年度税制改正大綱が閣議決定されました。
資産課税においても大きな改正項目がありますので、今回は、資産課税に関係する項目を中心にかんたんにまとめていきます。

 

相続税または贈与税の納税義務の見直し

国外財産に対する課税が強化されるようです。

  1. 国内に住所を有しない、かつ、日本国籍を有する相続人が、国外財産を相続した場合に相続税の課税対象外とされる要件について、被相続人及び相続人が相続開始前に国内に住所を有しない期間が、現行の5年以内から10年以内になります。
  2. 国内住所と日本国籍を有しない相続人が、相続開始時には国内に住所を有しないが相続開始前10年以内に国内に住所を有していた被相続人から、相続または遺贈により取得した国外財産については、相続税の課税対象となります。

上記の改正は、贈与税についても同じ取扱いとし、平成29年4月1日以後に相続もしくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。

 

居住用超高層建築物に係る課税の見直し

いわゆるタワーマンションの、取引価額が違うのに高層階と低層階の固定資産税評価額が同じという矛盾にメスが入ります。
ただ、今回の改正では、高層階と低層階の固定資産税の調整を図る程度にとどまり、相続税の節税策として問題となったタワマン節税の防止策については、次年度以降に持ち越しとなりました。

改正内容は、高さが60mを超える建築物のうち複数の階に住戸がある居住用超高層建築物については、建物全体の固定資産税・都市計画税、不動産取得税の総額は変わらないものの、高層階の税負担が重くし、低層階の税負担を軽くする補正がされます。

この改正は、平成29年4月1日以後に売買契約され、平成30年度から新たに課税されることになる居住用超高層建築物について適用されます。

 

住宅取得等資金贈与の災害に関する税制措置

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置について、災害による被害を受けたことにより期限までに居住できなかった場合の救済措置が設けられました。

  1. 災害により家屋が滅失したら居住していなくても贈与税は非課税
    住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用家屋の新築等をした者が、贈与を受けた年の翌年3月15日後遅滞なくその住宅用家屋を住むことが確実であると見込まれることにより住宅取得等資金贈与の非課税の適用を受けた場合において、その住宅用家屋が災害により滅失等をしたことにより居住できなかったときは、居住要件が免除されます。
  2. 災害により居住できない場合は居住期限を1年延長
    住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用家屋の新築等をした者が、贈与を受けた年の翌年3月15日後遅滞なくその住宅用家屋を住むことが確実であると見込まれることにより住宅取得等資金贈与の非課税の適用を受けた場合において、災害等やむを得ない理由により、贈与を受けた年の翌年12月31日までに居住できなかったときは、その居住期限を贈与を受けた年の翌々年12月31日まで延長されます。
  3. 災害により住宅を新築等できない場合は新築等の期限を1年延長
    贈与により金銭を取得した者が、その金銭で住宅用家屋の新築等をする場合においては、災害その他のやむを得ない理由により、その贈与を受けた年の翌年3月15日までに新築等ができなかったときであっても、その贈与を受けた年の翌々年3月15日までに新築等をしたときは、住宅取得等資金贈与の非課税の適用を受けることができます。
  4. 災害により贈与税の非課税の適用を受けた住宅が滅失した場合は再適用可能
    住宅取得等資金贈与の非課税の適用を受けた者の住宅用家屋が
    被災者生活再建支援法が適用される自然災害により滅失等をした場合において、その者がその直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用家屋の新築等をするときは、再度本制度の適用を受けることができます

上記の改正は、平成29年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用されます。

 

取引相場のない株式の評価の見直し

類似業種比準方式についての見直しが行われます。

  1. 類似業種の上場会社の株価のとり方に、現行の方法に”課税時期の属する月以前2年間平均”が加わります。
  2. 類似業種の上場会社の配当金額、利益金額及び簿価純資産価額について、連結決算を反映させます。
  3. 配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重について、1:1:1(現行1:3:1)となります。
  4. 評価会社の規模区分について、大会社及び中会社の適用範囲が拡大されます。
  5. 株式保有特定会社の判定基準に新株予約権付社債が加わります。

上記1〜4の改正は、平成29年1月1日以後の相続・贈与について、5の改正については平成30年1月1日以後の相続・贈与について適用されます。

 

広大地の評価方法の明確化

平成30年1月1日以後の相続・贈与により取得した広大地の評価について、現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに、適用要件が明確化されます。

 

まとめ

今回は平成29年度税制改正大綱のうち、資産課税関係の項目について簡単に要点だけを整理してみました。

気になるところは、タワマン課税と取引相場のない株式の評価方法が変わるところですが、タワマン課税については財産評価における改正が次年度以降にずれ込みました。

各項目の細かいポイントについては、今後の税制改正の動きを見ながら個別に記事にしていきます。

平成29年度税制改正大綱の記事はこちらにもあります。

 

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