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税金の世界では役員じゃない人も役員になってしまう場合があります

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一般的に役員とは、登記簿謄本に名前が載っている人が該当します。

ところが、税金の世界では、登記簿謄本に名前が載っていない人でも役員になってしまう場合があります。

 

みなし役員という考え方

法人税では、みなし役員という考え方があります。

これは、税法では「経営に関わっている人は登記簿謄本に載っていなくても実質的に役員ですよ」という考え方で、みなし役員の給与を利用した利益調整を防止する目的があります。

もし、みなし役員の規定がなければ、表向きの代表取締役はお飾りにして、真の代表者を役員としないことにより、その真の代表者に対する給与を決算間際で調整することで法人の利益を調整できてしまいます。

この真の代表者をみなし役員とすれば、ご存知のとおり役員給与は基本的に期首から3ヶ月以内しか改定できませんので、期末間際で真の代表者に対する給与を増やしたとしても損金(税務上の費用)になりません。

 

みなし役員の要件

みなし役員には2つのパターンがあります。

法人の使用人以外の者の場合

次の2つの要件を満たす者はみなし役員となります。

  1. 相談役、顧問、会長、副会長、業務執行社員など使用人以外の者であること
  2. 経営に従事していること

よくあるのが、社長を退いた代表者が取締役でない会長に就く場合がありますが、この会長が実質的に経営に従事しているとみなし役員とされてしまいます。

なお、ここで問題になるのが経営に従事しているかということです。

一般的には、経営に関する重要な決定に参画していることや、資金調達、設備計画、社員の採用や解雇・給与の決定などにも関わっていることなどがあげられます。

なので、会長が表向き代表者を退いても院政をしている場合は、みなし役員になってしまいます。

 

同族会社の使用人の場合

次の2つの要件を満たす者はみなし役員となります。

  1. 使用人で一定の持株要件を満たしていること
  2. 経営に従事していること

「表向きは使用人であっても実質的に会社を支配している人は役員ですよ」というのがこのパターンです。

利益調整に使われるのはこのパターンですね。

そして持株要件を満たす場合とは、次の要件のすべてを満たす場合のことをいいます。

基準 内容
50%超基準 上位の株主グループの持株割合を順番に合計していき、はじめて50%超となる株主グループまでに、その使用人が属していること
10%超基準 その使用人の属する株主グループの持株割合が10%超であること
  5%超基準 その使用人(その配偶者を含む)の持株割合が5%超であること

その使用人が上記の持株要件を満たして、さらに経営に従事していれば、会社に対する影響が大きいので役員とみなされるということになります。

なお、この規定は同族会社のみの規定で、非同族会社の場合には、2つの要件を満たしていてもみなし役員とはされないところが、法人の使用人以外の者の場合と違うところです。

法人の使用人以外の者の場合は、同族会社、非同族会社ともに対象となる規定です。

 

みなし役員になるとどうなる?

みなし役員に該当すると、役員とみなされるわけですから、その給与は役員給与となり、定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与のいずれかに該当しなければ税務上の費用になりません。

給与の改定も、通常の役員と同様に行う必要があります。

また、所得拡大促進税制においては、使用人に対する給与であっても、みなし役員に対する給与は雇用者給与等支給額には含まれませんので、注意が必要です。

 

まとめ

みなし役員については、先代の社長が退いた後、会長になっても経営に口出しするような院政タイプと、表向きは役員とならず影の支配者として会社を牛耳っている黒幕タイプがあります。

そのほか、役員の登記はしていないけど、経営に関わっている家族従業員が該当する場合もありますので、いまいちど確認してみましょう。

実務的には、経営に関わっているか・いないかの証明がポイントになります。

 

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